GrWin グラフィクス・ライブラリ







サブルーチンと関数の一覧



本ライブラリでは, ウィンドウをオープンすると仮想的な長方形の「用紙」がメモリー上に用意されて, 適当なルーチンをコールすることによって, 図形オブジェクトがその「用紙」に描画されます。 「用紙」 のサイズは原則としてオープン時に決定され, 一般には,実際に出力されるデスプレィ画面の分解能や "プリント用紙" のサイズとは無関係です. 「用紙」がデスプレィ画面やプリンタに出力される際には, ビュー(表示)モードに応じて, その「用紙」 をそれぞれのデバイスにマッピングします. 用紙上で実際に描画を行う長方形の領域を「ビューポート」と呼びます。 ユーザーはビューポートの左下と右上の点の座標を与えることで任意の座標系を定義することができ,この座標系を「ワールド座標系」と呼びます。 本ライブラリのほとんどのルーチンではこの「ワールド座標系」を用います. 「用紙」上にビューポートを設定するには「規格化論理座標系」を使います。 規格化論理座標系は,描画図形の縦横比を一定にしたまま,用紙の短い方の辺の長さを1に規格化した座標系で,原点は「用紙」の左下隅とられます。 規格化論理座標系では,「用紙」 が横長の場合の右上隅の座標は (W/H, 1.0) になります。 ここで,W と H は「用紙」の幅と高さ(ピクセル単位)です。 「用紙」に固定された,「用紙」の左上隅を原点,u 軸と v 軸をそれぞれ右向きと下向きにとった座標系を「論理デバイス座標系」(LDC) と呼び,内部で利用されます。 「論理デバイス座標系」の単位はプリンタに出力するときの1ピクセルに対応しています.

下の説明の Fortran に関する部分については全て大文字が使われていますが,Fortran では識別子(変数名やサブルーチン名など)の大文字と小文字は区別されませんので,当然上の一覧のように小文字を使うことができます。これにたいして,C 言語では区別されますので注意してください。 この一覧を見てわかるようにFortran 言語用のサブルーチン(及び関数)と C 言語用の関数は 1:1 に対応しています。詳細は各サブルーチンや関数についての下の記述を参照して使用してください。

GWT で始まるルーチン群はタートル・グラフィクスのためのものです。それぞれに対応して,GWDT で始まるルーチン群が利用可能で,GWDTxxxxx は GWTxxxxx の倍精度版です。 つまり,GWDTxxxxx を使う場合には,本マニュアルの対応する GWTxxxxx の記述で,REAL を REAL*8 または DOUBLE PRECISION (FORTRAN の場合)に,また,float をすべて double (C または C++ の場合)に読みかえる必要があります。 これらのルーチン群は再描画のための座標情報(以下参照)をワールド座標として,実数 (GWTxxxxx) または倍精度実数 (GWDTxxxxx) で保持するので,相対座標による描画でも誤差の蓄積がほとんど生じません。

最後の 8 個のサブルーチン(#〜#)は Calcomp 系のサブルーチンを使用したプログラム用に,最低限の互換性確保のために用意されたコマンド群です。ただし,これらについては対応する C の関数はありません。

タートル・グラフィクスや Calcomp 系のルーチン群もすべて,内部的には GW***** のコマンド群と同等なので,それらを混在して利用しても何等問題ありません。 なお,'n' 欄の数字は各ルーチンの機能に対応するオブジェクト(図形データ)の数を示します. 保存されたオブジェクトは再描画に使用され, gwsaveas/GWsaveasgwload/GWload でファイルに保存したりファイルから復元することができます.

以下では,[F] は Fortarn での定義部,[C] は C での定義部を表しています。 Fortran サブルーチンにおける第一引数 IRTN はリターン・コードで,とくに断られていないかぎり,失敗のときは 0,成功すれば 0 でない値が返ります。また,C の各関数の戻り値は IRTN と同じです.C の場合には,GWsize を除いて,出力変数に指定されているポインタ型の引数は,不要の場合に NULL とすることができます。

関数名からの検索には「索引」が利用できます。




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